都心エリアや駅前の繁華街で稼働する我々にとって、最大の敵は駐輪場所です。
ピックアップやドロップのために数分バイクを離れた隙に、駐車監視員のステッカーが貼られていた――。これでその日の売上、ヘタをすれば数日分の利益が吹き飛びます。ちょっとだけなら大丈夫という甘えは、効率重視のプロには不要です。違反金という無駄な出費を防ぎ、かつ安全に停車するための戦略を共有します。
配達中のちょっと停車でも違反は違反
まず前提として、日本の法律では運転者が車両を離れて直ちに運転できない状態であれば、時間は関係なく放置駐車違反となります。トイレに行っていた商品を届けていただけという言い訳は通用しません。
特に駅周辺やタワマンエリアなどの重点路線では、監視員が巡回しています。彼らは仕事で見逃してくれません。違反金を払うことになれば、時給換算で数時間のタダ働きになります。これほど効率の悪いことはありません。
路上駐車のリスクは罰金だけではありません。近隣住民からの通報や、通行の妨げによるクレームは、フードデリバリー業界全体への風当たりを強くし、結果として我々の活動エリアを狭めることになります。誰にも迷惑をかけていないは主観に過ぎません。リスクヘッジのためにも、正規の場所に止めるのが正解です。
駐輪場探しの裏ワザと契約のコツ
とはいえ、毎回コインパーキングを探していたら配達にならないというのも本音でしょう。そこで、効率的に駐輪場所を確保するためのいくつかのアプローチを紹介します。
基本は配達エリア内の駐輪場マップを頭に入れておくことですが、公営の駐輪場は満車になりがちです。そこで狙い目なのが、民間マンションやビルの空きスペース交渉です。
配達でよく使うエリアに、空きのある月極駐輪場や、駐輪スペースに余裕のあるマンションはありませんか? 通常は居住者専用ですが、管理会社によっては部外者への貸し出しに応じてくれる場合があります。特に、大手仲介業者が管理している物件は、空きスペースの収益化に積極的なケースがあります。
- 管理会社の看板を見て連絡し、外部貸し出しが可能か聞く
- 交渉時は1年分前払いを提案すると、信用度が上がり契約しやすい
- 商業施設の定期利用パスを契約し、そこを拠点にする
月額数千円のコストがかかっても、いつでも確実に止められる自分の場所があれば、駐輪場探しの時間をゼロにでき、違反のリスクも消せます。経費として割り切れば、安い投資です。
盗難リスクを減らすロックの習慣
駐輪場所が決まったら、次はロックです。配達員は急いでいるため、キーを挿しっぱなしにしたり、ロックをかけずに店に入ったりしがちですが、これは盗んでくださいと言っているようなものです。
プロの窃盗団でなくとも、出来心で盗まれるリスクは常にあります。商売道具がなくなれば即廃業です。以下の手順を身体に染み込ませてください。
- どんなに短時間でもキーを抜くハンドルロックはセットで行う
- 長時間離れる場合は、U字ロックやチェーンロックを追加する
- アラーム付きディスクロックなど、視覚と音で威嚇する装備も有効
特にスマホホルダーにスマホを残したまま離れるのは厳禁です。端末だけでなく、アカウント情報ごと抜かれる恐れがあります。
駐輪コストや盗難防止グッズへの出費は、維持費の一部です。お金がかかるからと路上駐車を繰り返すのは、ギャンブルをしているのと同じ。もし、今のバイクが古くて鍵穴がガバガバだったり、ハンドルロックのかかりが悪かったりするなら、防犯上の大きな穴です。修理するか、セキュリティのしっかりした新しいバイクに入れ替える判断も、長く稼ぎ続けるためには必要です。

